悩む人
人民元の切り下げって何?
人民元が切り下がるとどうなるの?
人民元切り下げで、なんであんなにアメリカが怒ってるの?
こまのすけ
こんにちは!こまのすけ(komanosuke3)です。
これを書いている現在(2019年8月6日)、人民元切り下げ・米中貿易戦争による株価下落の真っただ中です。
今回は、米中貿易戦争がさらに激化する原因ともなった「人民元切り下げ」について、復習したことをまとめていきたいと思います!
この記事でわかること
人民元の管理フロート制について
人民元は中国の中央銀行が発行している通貨で、1998年より対米ドルによる固定相場制をとっていました。
しかし、2005年7月の人民元改革により「管理フロート制(管理変動相場制)」を導入。
変動相場制を取り入れた事で「人民元の価値が上がる」との観測から、2005年の人民元改革は「人民元切り上げ」とも呼ばれています。
管理フロート制とは
管理フロート制(管理変動相場制)とはどのようなものなのでしょうか?
管理フロート(かんりフロート)とは、為替相場を決定するための制度の一つ。
自国の通貨の変動幅を固定し、その幅の範囲内で各国通貨が自由に取引される制度のこと。
通貨の変動幅は中央銀行によって管理される。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
つまり、「その国の中央銀行が、市場の動きをみながら為替レートの変動幅を調整することができる」ということですね。
中国では中国人民銀行から毎朝発表される基準値に基づいて取引が行われており、中国の為替レートは適宜上下2%の範囲で管理されています。
管理フロート制のメリットと問題点
管理フロート制の最大のメリットは、自国の通貨にその国の意思を反映させることができる点です。
しかし、あまりにも実体経済と大きく乖離した為替レートの設定は、他国の反発を招き問題となります。
中国で経済の落ち込みが目立ち始めた2015年。
中国人民銀行は8月11日から3日連続で対ドル為替レートの基準値を引き下げを実施。
3日間連続の人民元切り下げによって、世界の為替市場は大混乱をきたしました。
USD/CHN日足チャート
参照:tradingview
人民元切り下げと米中貿易摩擦
人民元切り下げによる貿易への影響
人民元のレートの切り下げは「元安」となり、中国の輸出産業は大きな恩恵を受けることとなります。
元安と貿易について図にまとめてみました。
対中貿易赤字を抱える国々はたまったものではありません。
特に、中国が最大の貿易相手であったアメリカにとって大ダメージとなりました。
米中貿易戦争の経緯を振り返る
ここで、昨年から激化している米中貿易戦争について振りかえってみましょう。
画像:時事ドットコムより抜粋
6月のG20で開かれた米中首脳会談で「一時休戦」となりました。
しかし、今月に入りトランプ大統領は「中国に対する関税第4弾を9月1日に発動する」とツイート。
関税第4弾が発動されれば、中国からの輸入品ほぼすべてに関税がかかることになります。
画像:読売新聞オンラインより抜粋
8月6日、中国はこの関税第4弾に対し「米国からの農作物輸入を一時停止」という形で応戦しました。
人民元切り下げと貿易戦争の今後
人民元切り下げでさらに関係が悪化する米中
8月5日、中国人民銀行は1ドル=6.9225元の基準値を設定しました。
人民元が1ドル=6.9元より元安方向にふれるのは実に8カ月ぶりのことです。
これを受け、米財務省は「中国は貿易に有利となるように意図的に人民元を切り下げている」と反発。
中国を「為替操作国」に指定しました。
為替操作国とは?
米財務省が、経常収支を調整したり貿易で競争上の優位を得たりするため為替を操作していると判断した国を指定する。
指定した国とは協議を実施し、為替介入の透明性確保や通貨切り上げを求めたりする。
相手国の改善が見られない場合は輸入品への関税など制裁措置に踏み切る規定もある。
IMFではなくアメリカが一方的に認定できるんですね。
この一連の流れにより、市場に「貿易戦争問題は通貨戦争の様相を呈している」と不安が広がっています。
今までの流れ😐
🇺🇸中国に対する10%関税
↓
🇨🇳米国産農作物輸入の停止
元安を容認で米国に報復
↓
🇺🇸中国を為替操作国に指定米中貿易戦争から通貨戦争へ😱
Fear & Greed Indexは22💀
米国VIは23超え☠️
ヒンデンブルク・オーメン継続点灯中😇 pic.twitter.com/1OJ8SamXqe— こまのすけ (@komanosuke3) August 5, 2019
本日発表された基準値は、「1ドル=6.9683」と前日比0.0458元の元安ドル高。
約11年ぶりの元安なんですけど、「予想よりも元高だった!」「1ドル=7元台じゃなかった!」と、市場はやや安心感を取り戻したようす。
しかし、明日以降も中国が人民元切り下げるならば、アメリカとのさらなる関係悪化は免れないでしょう。
人民元切り下げによる影響
人民元切り下げによる影響を表にまとめてみました。
影響を与えるもの | 結果 |
米国株 | 下落 |
米ドル/日本円 | 円安ドル高(※1) |
日経平均株価 | 下落(※2) |
米国債 | 上昇 |
金価格 | 上昇 |
VIX | 上昇 |
(※1)円安ドル高
人民元の切り下げは相対的にドルの価値を上げるので、理論上は円安ドル高となります。
しかし、リスクオフにより安全資産である円に買いが入ると一気に円高が進むので注意が必要。
(※2)日経平均株価下落
「円安=日本株上昇」の恩恵よりも、米国株への連れ安の方が可能性が高いと思われます。
「元安ドル高→米国市場下落→円買い→円高→日経平均株価下落」と、「リスクオフ→円買いからの株価下落」の方がいつものパターン。
おわりに
人民元基準値切り下げによりVIXも上昇し、ショートを仕掛けるチャンス到来・・・(`・ω・´)
といきたいところですが、毎日10時15分の中国人民銀行の発表する基準値におびえながら過ごすことになりそう。
思わずリツイートしたツイート。
さて、米国VIの売るタイミングですが、後追いでいいと思います。つまり、暴落があって、少し落ち着いてからでいいということです。
なぜなら、暴落して、その後、少し株価が戻ったとしても、米国VIはすぐには下がらないからです。
暴落時に飛びついて売ると、さらに暴落、踏み上げとなりますので注意— 官兵衛@投資家 (@kanbei_toushi) August 6, 2019
こういう時に焦ってポジポジ病を発動すると、ろくなことがないのは身に染みてわかっているので(^^;
米中関係性の行方をしっかりと見極めていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、感謝いたします(^▽^)